曽世海司です。
稽古場が、昨日、終了しました。
皆で走った。
皆で紡いだ。
怒濤の日々。
途中、息継ぎすることも忘れるくらいの勢いでした。
「我が闘争」というより「我らが闘争」。
それぞれの役を生き、繋ぎ、与え、もらう。
皆、よく闘いました。
多層的な心情描写を織り上げながら、
ダイナミックな作品の流れをつくる。
シーンからシーンへのバトンリレー。
時に繊細に。時に大胆に。
諸刃の剣を緩急織り交ぜひるがえし、
起伏に富んだ物語が完成してゆく。
そして僕はそんな中、気付きの毎日。
発見の毎日。
自分が演じてる中でも勿論たくさん気付いて発見して。
でもそれにもまして、出てないシーンを見ていると、
日々、目が離せなくなっていって。
皆が懸命に役を生きようとする姿。
一歩ずつ進んでゆく姿。
大きな大前進はそんなにない。
でも一歩一歩確実に進む。
時に半歩だったり、
1cmだったり1㎜だったりもするけれども、進む。
たまに後退したってまた進む。
すると前より少しだけ深い味わいになっていたり、
感情の色合いが増していたり。
その積み重ね。
そのプロセスを見ていて、人が、懸命に生きる様を表現せんと上演する
今回の『アドルフに告ぐ』という作品が、また胸に迫る。
瞬間を重ねて、生きてゆく。
それに改めて何度も気付かされ、ハッとなる。
戦争という大きな時代のうねりの中で、それぞれが、
歯を食い縛り、それが緩んで笑顔になる。
朗報にこころ踊らせ、直後の悲劇に打ちのめされる。
切ないシーンもあります。
楽しいシーンもあります。
巨匠・手塚氏が遺してくれた人間讃歌。
初演時よりも、磨かれたと思います。
作品も。人物たちも。
培ったものが、結実したと感じます。
劇団も。役者たちも。
3篇、どこを観ていただいても大丈夫です。すべて『アドルフに告ぐ』をご堪能いただけるはずです。
劇場にて、早く皆さんにお会いしたい!
心よりお待ちしております。
最後に、稽古場終わって、いい顔つきの皆で、パシャリ!